Memory's Piece

そんな彼女に再会したのはあるゲームの中だった。

偶然出会った私にあの時と全く変わらず彼女は「アンタ、やっぱそういう服そこら辺の女よりも似合ってるわ。」と言ってくれた。

昔とは少し違う笑みを浮かべて。

無邪気で希望に満ちていた幼い頃のあの時とは違う、何もかもを諦めていて、でも強い決意が秘められていた淡い微笑み。

しばらくして、彼女の引っ越した後の話を聞くことが出来た。

彼女の微笑みに秘められていた秘密を理解した瞬間だった。

悲惨・・・・・なんてものじゃなかった。

私が願ったこととは全く違っていた彼女の生活。

何も知らなかった私は、どこかの街で彼女が幸せになっているんだと信じて疑わなかったのに。

彼女の決意を知った日、私は決めた。


今度こそ、彼女を独りにしない・・・・と。


もしもあの時。

私が彼女の苦しみを少しだけでも分かち合えていたなら。

彼女が引っ越した後に手紙を出していたら。

電話をしていたら。

全ては『もしも』の話だ。

でも、それでも。

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