Memory's Piece



「一体何者なのかしら・・・」


みーちゃんと平気な調子で言い合いをしているレイさんは、「説明が足りないのよ!!」とみーちゃんを叱り飛ばすと(あのみーちゃんを!!)、私と目線を合わせるようにして少し腰を落とした。


「行きたいところがあるから一緒に来てほしいんだけどいいかしら??」


「私は構わないのだけれど・・・あーくんは??」


「アレは放置でいいよ。放置で。大丈夫。馬鹿だから」


なにが大丈夫なのか。私はみーちゃんに目をやると、しばらくみーちゃんは困ったように目を泳がせて「分かった。」と小さく息を吐いた。

どこから取り出したのか小さなメモとにペンをさらさらと走らせる。

『ちょっと用が出来たから零一と先に行きます。ハロウィン本会場付近に居ると思うから、何かあったら声かけて 魅稀より
あ、波狼に桃亜姉はボクと一緒だからって言っといて。

ps、馬鹿兎のせいで零一にからかわれるネタを作り上げられた。後から覚えとけよ』

覗き込んだメモに書かれたのはそんな感じだった。

見慣れた悪筆のメモをみーちゃんは綺麗にそれを折りたたんで、レイさんが毛布を掛けてあげていたあーくんの上に無造作に放り投げる。


「はい。これでオッケー。」


ね??と私に確認をとるみーちゃんは、私を抱きなおして「いっくよー」と尻尾を振った。


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