Memory's Piece

夜目はきくからバッチリ見えてるのに死に神はジャスト見えない立ち位置&顔の向きを変えようとしない。

腹立たしいことこの上ないね。


「てゆか、もうなんかどうでもいいかも。」


ルーキー相手に隠れてる自分が段々あほらしくなってきてボソッと呟けばその思いは更に強くなった。

ヤバイ奴ならさっさとその場を離れるか、殺るかすればいいわけだし面白そうな奴なら遊んでやるのもまた一興。

そう結論づけたボクはヒョイッとフェンスを越えてビルから飛び降りた。

階段なんかを使うより断然こっちのほうが早いもんね。

音もたてずに着地したボクは首を少しだけ後ろに向けて死に神の顔を盗み見た。

死に神は毛先に赤いアッシュをかけた高校生くらいの青年だった。


見覚えがあるような無いような・・・・。


ま、人の顔とか名前とか覚えるのが苦手な僕としては、覚えてたら逆に奇跡に近いんだけど。

言ってくれればすぐに思い出すんだけどなぁ。

驚愕した顔の死に神に内心首を傾げつつ、ボクはクルリと身を翻した。

死に神に体を向けて闘う意思がないことを気配で告げながらこう言うつもりだったんだ。


ボク、君にあったことあるっけ・・・・?

って。


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