Memory's Piece
「レ、……レイナに此処が最後って言われて……」
しどろもどろに頼兎は視線をボクから外さずに答えた。
嘘はない。何かを隠してる風でもない。
ということは、少なくとも頼兎はこの『場所』について何も知らない訳だ。
……と、いうか
「レイナって誰よ?」
「え?」
聞き慣れない名前に眉間に皺を寄せると予想外といったふうな顔で頼兎が目をパチクリさせた。
どうやら頼兎の中ではボクが知ってて当たり前な相手らしい。
身に覚えが全くない名前だからボクこそ「え?」なんだけど。
「魅稀はイベントに参加してるから此処に居るんだろ?」
「ん? イベント? 何それ」
「…………は?」
お互い、「何言ってんだ?」状態だ。
噛み合わない話に一瞬イラッとするとその空気を読み取ったのか
「イ、イベントだよ、イベント! ほら、ハロウィンの!」
と慌てた頼兎から説明がなされた。
ハロウィンのイベント?
なんじゃそら。
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