Memory's Piece
これまた覚えのない事柄に、イラッとしていると見兼ねたらしいナギサが
『途中で魅稀は放置しただろ。ほら、カボチャのカケラを集めるゲームだよ』
助け舟をこっそりと出してくる。
言われてみれば確かそんなイベントがあった気もする。
「……あー、途中までやってたけど、だるくなって止めた」
「なっ!?」
正しくいえば、他に優先的にやることがあったから放棄した。
ボクの言葉が意外だったのか頼兎は、『驚愕』という表情を作り、そして次には『疑惑』を作った。
ボクが悪いことをしたるんじゃないかと疑っているらしい表情だ。
なんて失礼なやつなんだろうか。
手に取るように分かる、だだ零れの頼兎の思考にボクは溜息をついて、スパーンッと頭を叩き飛ばした。
思いっきり心を込めて躊躇いなく。
「……何で俺、叩かれたの?」
何でと聞かれれば、「なんとなく」という返事がピッタリなのだが、ボクとしては頼兎の反応の方が意外だった。
場所も忘れてボクは「?」と疑問符を浮かべる。
「あれ、怒んないの?
いつもの頼兎なら普通にキレて意味不明な発言ばっかのたまうじゃん」
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