Memory's Piece


………………頼兎……に?

胸がギュッと締め付けられる。

まさか、ここまで自分が他人に入れ込んでいたとは。

驚愕だ。


「魅稀、後々バレちゃうんだから……」


俯いて押し黙るボクが心配になったのか零一は恐る恐る助け舟を出そうとする。

でも、そんな助け舟。乗れる訳がない。


「黙れ!!」


思わず過剰に反応してしまったボクに場がシンッ…………と静まり返る。

あぁ、もう最悪だ。

ぐちゃぐちゃに掻き回して、いろんな人を巻き込んで。

もとを辿れば全てボクのせいなのに、沢山の人が不幸になっていく。

『あの人』が言った事もあながち間違ってはいなかった訳だ。

こうなるともう、笑いしか出ない。


やっぱりボクは


………………疫病神。





「これで、よかったんだ。
もう口出しをするな、零一」


複雑に絡んだ感情のせいでどんな顔をすれば良いのかが分からない。

桃亜姉を押し込んだ小屋を見る。

最後に見た桃亜姉の寝顔が浮かんで消える。



ボクはただ、

あの穏やかな寝顔を、

優しい微笑みを、

暖かなあの腕を

……守りたかっただけだ。



何が正しくて何が間違ってる?
何が正義で何が悪?


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