Memory's Piece

もしかしなくても、慰められているんだろうかと気付いた頃には、ナギサはボクとの『会話』を打ち切って頼兎で遊んでいるサナギを注意をしていた。



ボクの運命と頼兎の運命。

ナギサの言葉がボクの頭の中を廻る。

ナギサは嘘をつかない。

彼が持ちうるのは真実だけだから。

でもそんなことを言われても、思ってしまうのだ。



ボクさえいなければ………と。




「そうだよ。サナとナギは"双子"」


「それも、特別な"呪い"がかかった……ね?」


二人の話が頭を素通りする。

呪い………か。


「"呪い"といっても、そんなに禍々しいものじゃないんだ。
……それに、答えを知りたいのなら今から話す事をよく聞いていれば分かる筈です」


そう言って小屋を見たナギサにボクは警告の意味で尻尾を振った。

話す必要があると彼は言った。

でも、………本当に?

怖いんだ、ボクは。

もう何も無くしたくないのに………。


『大丈夫。』


そう頭の中で囁くナギサを強く睨みつける。

大丈夫な訳がない。

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