Memory's Piece

「オイ、返せ」

・・・・・・一体何だというのだ。

ボクのなにが死に神にこうさせているのかサッパリ分からない。

理解出来ない。

月夜見で死に神を切り裂いてこの状況から抜け出すことは簡単に出来るけど、そんなことしたら死に神がゲームオーバになるのは必須。

それはあまり頂けない案だ。

強く絞められているせいで呼吸が段々と苦しくなっていく。

「っ、・・・う」

小さく唸ると突然死に神はボクを引っ張って月明かりが差し込む明るい場所まで行き、ジッ・・・と顔を覗き込んできた。

てゆか呼吸ができなくて頭がクラクラし始めてるんですけど。

もうそろそろヤバイ。

そうボクが思い始めた頃に顔を覗き込んできていた死に神は不意に

「・・・・・・・・は、人違いか」

と呟いて首からいきなり手を離した。

急に入ってきた大量の空気にボクはむせて、派手に咳込んだ。

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