Memory's Piece
どうやら馬鹿じゃないらしい。

ふざけた問答になんだか疲れてため息をつくと頼兎と名乗った死に神はキョトンとした顔をした。

ボクが何故ため息をついたのかが分からないらしい。

ん。分かった。コイツ若干天然だな・・・・??


「……空似だった」


「は?」


「よく考えたら、アンタがアイツじゃない事ぐらい簡単に分かるのに…」


「....はぁ?」

内心、頭を抱えつつ、そうぼやくと頼兎は奇怪なものでも見るような目で僕を見る。

失礼な。

お互い何やら擦れ違いがあるようだけどそんなことは気にしない。

というかどうでもいい。


「名前が一緒でも、空似は所詮空似だよね……?」


「は、はぁ........」

ブツブツと呟けば戸惑うように肯定されてしまった。

お前の意見なんかどうでもいいんだよ。どうでも。

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