Memory's Piece
「だからこれは、......!!」
ボクの尋問に嫌気がさしてきたのか、ブチギレた頼兎が吠えかけた時、突然何かが上から落ちてきた。
ドターン!!と派手な音をたてて、後ろにブッ倒れた頼兎に巻き込まれないように離れたボクは月光に当たって浮かび上がったその姿に、クラリとした。
今日は厄日だ。なんて面倒くさい者たちに出会う日なんだろうか。
「ちょ、邪魔......」
「いっ......たぁぁーい!!」
「…あら、ノロマ男じゃない♪
やっぱアタシら運命共同体?」
「……んな訳ねーだろーが!!
早く降りろ!つーか返せ!」
何かを頼兎とうざったい女が言ってるけど全く耳に入ってこない。
あぁ、コイツかと瞬時に頭が理解していた。
頭に生えた猫耳にお尻から出た尻尾は紛れもなくボクと被ってる。
断然ボクのほうが毛艶がいいけど、なるほど。頼兎はコイツとボクを間違えたわけだ。
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