Memory's Piece
「そーゆーの、困るんだよねぇ。
ボクの名前汚されたようで嫌なんだけど」
「そんなの知った事じゃないわぁ…?
それに、アタシはアンタに用ないし」
そう吐き捨てる糞ゴミ虫にボクはハッと笑い捨てた。
いい度胸だ。妖猫のミケと呼ばれるボクに対してのその態度。逆に天晴れ。
ツインテールにしてある髪をポニーテールに結び直しながらボクは口角を釣り上げる。
殺してくれと。いや寧ろ、切って切ってぇ~とボクに言いたいんだね。キミは。
頼兎を襲う糞ゴミ虫を横目に、髪を結い直したボクはグッ・・・と身を低めて戦闘態勢に入った。
ヤツの目的は、頼兎の核。
馬鹿にされたままなのも癪に障るし、頼兎をゲームオーバーにされちゃ困るんだよね。
ゴミ虫女が投擲したナイフを間一髪で叩き落とした頼兎と二投目のナイフの間に体を滑り込ませたボクは月夜見でそのナイフ達を叩き落とす。
一投目の直後に投げられた二投目に反応しきれていなかった頼兎を背後に庇ってやり、ボクは深くふかぁ~くため息をついた。
「......ったく、頼兎。
君って勇気あるんだかないんだか分かんない」
「.........あ」
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