Memory's Piece

突然振りかえったゴミ虫女は5本のナイフをボクへと投げる。

至近距離でのナイフ投げは、厄介なもの以外のなんでもない。

月夜見で、反射的に叩き落としたボクは、更に5本のナイフが投げかけられるのを視界の隅で確認する。


「このっ......!!」


対応しきれない。咄嗟に腕をナイフの前に差し出してボクは体を守った。


「っ.........!!」


飛び散る血飛沫にボクは、息を止める。

・・・・腕がどんどん熱を帯びていく。

驚愕の表情を浮かべる頼兎と恍惚と笑うゴミ虫女。

あぁ、もう、くそっ。・・・・自分の迂闊さに、反吐が出る。

ゴミ虫女の目の前で倒れるのは癪に障るので、ボクは倒れまいと足に力を込める。

腕にただのナイフか刺さっただけじゃボクは倒れたりしない。

でも、このナイフ・・・・・。ただのナイフじゃない。

すぐに抜きはしたけど、刺さった後のこの状態から鑑みてもナイフに毒が塗られていたのは必須・・・かな。

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