Memory's Piece
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頼兎に迫っていくゴミ虫女を目で追いながらボクは、頭をフル回転させていた。
あんまり、アイテムは使いたくないんだけどなぁ。あれ、高いし。
出来るならこのまま、ここを離れたいけどそれはムリかなぁ。
グルグルと考えながら、ボクは二人の行方を見守る。
最悪、あの女をいたぶるのは諦めて、即死させるか・・・・。
頼兎とゴミ虫女が話をしているのが見える。でも、それだけ。
くっそ。目もかすんでるし、よく聞こえない!!
ボクは諦めて、耳をグルリを回して、ポケットから四角いボックスを取り出した。
これは、所謂アイテムボックス。なんでも入っちゃう優れもの。
ボックスの中から、目的の小瓶を取り出したボクは、蓋を跳ね飛ばして一気に半分くらい飲んで、残りを腕の傷へとかける。
ちなみにコレ、万能回復薬。値段・・・??高すぎて、思い出したくもない。
毒気が抜けて、傷が瞬く間に消えていくのを確認して顔を上げたボクは、目の前の光景に唖然とした。
「あーあ。
…………血、マジで最高」
血塗れの頼兎の手には濁ったピンク色の結晶。・・・・核だ。
『GAME OVER』の文字を体の周りに纏わりつかせているのは、さっきまではあんなにうるさかったゴミ虫女。
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