Memory's Piece


「死ねっ!!」


心配して損した。

膝の上から、頼兎の頭を落としたボクはグッスリと眠りこける頼兎と大鎌を交互に見てため息をついた。


「・・・・もしかしなくても、これを運ぶのってボク??」


他人の為にそんなこと、普段だったらしないけど、でも、いや、相手は頼兎だし・・・。

でも、面倒だなぁ・・・。いっそのことココに放置っていう手も・・・・。

大の字で眠っている頼兎を眺めながら、ボクは深く唸った。

力はあるから運ぶのは可能だけど、この大鎌とボクよりも大きい頼兎を一気に運ぶのはどう考えても嵩張ってムリ。

ってなると、どっちか片方だけ・・・ってなっちゃうんだよねぇ。それはマズイ。かなりマズイ。

しゃがみこんで、唸っていたボクは突然、隣に降り立った気配に顔を上げた。

見慣れた狼耳に狼尻尾。


「何してんの??こんなトコで。」


聞きなれた声になんだかちょっと、感動した。

なんて空気を読む奴なんだ。コイツは。


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