Memory's Piece

クスクスと笑ってたら、頼兎が窺うようにボクを覗き込んできた。

なんだろ?と首を傾げてると、


「あの、妖猫......?」


何をそんなに怖がっているのか、かなり恐る恐る問いかけられてしまった。

ビクビク怯える兎が目の前に見えるようで、ちょっと面白い。


猫的性質なボクとしては苛めてやりたくなるけど、今回は見逃しておいてあげようかな。


「ん、何だい?」


「あのさ、此処は......何処だよ?」


「あぁ、ボクの家」


そんなことか。ツマンネ。・・・なんて思っちゃったのは秘密。

さらりと教えてあげると、唖然とされた。

まぁ、この部屋はボクがかなり手を入れてるし、他の人の部屋から見たらかなり凄いからね。うん。

心の底で軽く胸を張ってると

頼兎が困惑しきりといった感じで目を泳がせる。


「なぁ、妖び…」


とまた、呼ばれた。ここが止めどころかな。

いっぺん注意しないとだよね。

ボクは頼兎が言い終わる前に尻尾でベッドを勢いよく叩きながら身を乗り出した。


「はいストーップ!」


「は?」


.


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