Memory's Piece
「......っ、何だよ」
「あのさ、ボク、妖猫って名前じゃないんだけど?」
「.........あ、そすか」
頼兎の言葉を途中で遮ると、頼兎はボクを一瞬軽く睨んできた。
若干イライラしてるっぽいね。ウサギさん。
でも、止めないと一生ボク妖猫って呼ばれそうなんだよね。
二つ名、嫌いじゃないけど、どーせ呼ばれるんだったら名前がいーよね。
ボク、自分の名前好きだし。
何かを考えるように黙り込んだ頼兎にボクは、あれ?と自分の思考にストップをかけた。
なんとなくデジャビュな気がする。
前にも一度こんな会話をしたことがあるような・・・・・・??
ま、いっか。頭の片隅によけいな思考を追いやって、ボクは何事かを考え込んでいるらしい頼兎の顔を覗き込む。
「みけ」
「は?」
「だから、みけ!
ボクの名前は、ミケ。」
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