Memory's Piece

波狼が言うのをぼんやり見ていたら、頼兎と目が合った。

頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいる。


「??」


「あれは武器への願いの言葉だよ。大抵、名がある武器にはある言葉。あれ言うと武器の調子がよくなるんだけど、まぁ、戦闘前にいちいち言うやつもあんまりいないんだよね。隙ができるから攻撃されやすくなっちゃうし。」


頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた頼兎に説明してやると、感心なさげに「ふ~ん」と言われてしまった。

せっかく説明してやったのに・・・・なんて態度だ。


「まぁ、実を言うと俺も言うの久しぶりなんだが・・・。でも、今日は頼兎が相手だから、久しぶりに・・・な。」


苦笑しながら刀を抜いた波狼は、黒いコートを脱いで軽くストレッチをする。


「頼兎。」


「はっ・・・・はいっ!!」


「本気で行くから覚悟しろよ?あぁ、殺しはしないから安心して。怪我は魅稀が治してくれるし、心配はいらないから。」


「そーそー。間違って波狼が殺しちゃいそうになってもボクが止めに入ってあげるから、問題ないでしょ??」

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