Memory's Piece
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「37:0。見事な負けっぷりだったね。いっそ天晴れ。」
「うっせー!!」
地面の上に胡坐をかいて座る頼兎の傷を治してやりながら、ボクは苦笑した。
見事なボロボロ加減に、いっそ笑うしかない。
「う~ん。さすがにもう、傷薬がないなぁ・・・。頼兎、今後、一度も怪我しない自信ある??」
「あるわけねぇ。」
「だよねぇ・・・。・・・・・しょーがない。ボク、ちょっと買ってくるよ。あ、頼兎、残り一個の傷薬預けとくから。二人とも、修業するなり休むなりしててもい~よ~。」
「・・・・はいよ」
「はいはい」
ぐったりと傷薬を受け取る頼兎と無傷の波狼が、やる気なさ気に手を振るのに「じゃ」と手を上げてから、ボクは跳び上がった。
ここからショップまではそう遠くない距離にあるから、すぐに戻ってこれるだろう。
そう踏んで、ボクは近くのレストランに寄り道をすることにしたんだ。
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