Memory's Piece


――――・・・・


「37:0。見事な負けっぷりだったね。いっそ天晴れ。」


「うっせー!!」


地面の上に胡坐をかいて座る頼兎の傷を治してやりながら、ボクは苦笑した。

見事なボロボロ加減に、いっそ笑うしかない。


「う~ん。さすがにもう、傷薬がないなぁ・・・。頼兎、今後、一度も怪我しない自信ある??」


「あるわけねぇ。」


「だよねぇ・・・。・・・・・しょーがない。ボク、ちょっと買ってくるよ。あ、頼兎、残り一個の傷薬預けとくから。二人とも、修業するなり休むなりしててもい~よ~。」


「・・・・はいよ」


「はいはい」


ぐったりと傷薬を受け取る頼兎と無傷の波狼が、やる気なさ気に手を振るのに「じゃ」と手を上げてから、ボクは跳び上がった。

ここからショップまではそう遠くない距離にあるから、すぐに戻ってこれるだろう。

そう踏んで、ボクは近くのレストランに寄り道をすることにしたんだ。


.




< 66 / 237 >

この作品をシェア

pagetop