Memory's Piece
「おはよーん。」
「・・・・なっ!」
「あぁ、起きたか。ほら、服。」
ボクの格好に驚いた顔をする頼兎とは対象的に、冷静な顔の波狼はヒョイッとボクの服を放り投げてくる。
寝室に戻って服を着なおしたボクは、グッと伸びをして波狼の隣に座った。
ちなみに頼兎は向かい合うようにしてもう一つのほうのソファーに座ってる。
「体調は?」
「いつもどーり、問題ナシ。波狼、ボクがつけちゃった傷は?」
「頼兎に買ってきてもらったから問題ない」
「そ。頼兎は?」
「あっ、えっ、俺?」
他に誰がいる。
馬鹿にした風を装って「はぁ・・・。」と溜息をつくと、プイッとそっぽを向かれてしまった。
つくづく面白いやつだ。
「嘘だよ嘘。テリトリー争いに巻き込んじゃってごめんね、二人とも。」
「俺は・・別に。」
「・・・・魅稀が謝った。」
珍しく素直に謝ると、驚愕の更に向こう側みたいな驚きかたをされてしまった。
あ、もちろん、兎にね。
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