Memory's Piece
「ボクだって、謝ることぐらいするさ。今回の騒動は半分以上ボクのせいだしね。」
自嘲気味に笑って、ボクは頼兎に「でもね」と声をかけた。
「頼兎の腕を引っ掻いたことと、波狼の指を噛んだとに関しては謝らないよ。・・あれは、・・・・お前たちが悪い・・・。」
「厭らしい意味で聞いたんじゃないって。いや・・・・ちょっとはあったか??・・・んにしても魅稀って意外とウブなのな。」
何気なく発せられた言葉に、ザワリと毛が逆立った。
間髪いれずにソファーとソファーの間にあるテーブルを踏み台にして、ボクは頼兎の襟元を閉め上げた。
最後に付け加えられた言葉は、大嫌いな類のもの。
「今後二度とボクの前でそういう話題を出すな。次は殺すよ。・・・波狼も。いいね。」
首を締めあげたまま、脅しをかけると目を見張った頼兎がコクコクと慌てたように頷いた。
それを確認して、手を放してやりボクは体から力を抜いてソファーに倒れ込んだ。
チカチカの頭の中で通り過ぎる映像が、激しい頭痛をボクに与えてくる。
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