恋光をさがして~番外編~
心の鍵~麻美編~
“自分のことは自分で解決しなさい”
財閥の娘、後継者として育った私。
両親は、私のやりたいことをやらせてくれた。
学校も公立に行ったし、習い事も私が嫌がることはさせなかった。
それは、普通の家庭と同じだと思う。
けれど、1つだけ違った。
自分のことを見つめ、冷静に判断し対処すること。
これだけは、厳しかった。
けれど財閥の娘として、当然のことなんだと思っていた。
それが原因なのか。
いつからか、次第に自分の感情を表に出さないようになっていた。
誰にも相談したこともない。
私はそっと、心に鍵をかけていた。