恋光をさがして~番外編~


「俺、彼女できたんだ」


食堂から連れ出され、大学外の公園に来た。


手はしっかりと春馬に掴まれたまま。


「そう」


「麻美には、一番に知らせたかった」


素っ気ない私に、春馬は真剣な表情で話しかけてくれる。


「彼女、美咲は俺の幼なじみでさ。夏に帰ったときに再会したんだ」


聞きたくない、けれど・・知りたいと思う自分がいる。


「4つも下だけど、俺が美咲を幸せにしたいと思ってる」


ああ、本当に好きなのね。


私の知らない春馬がいる。


目がとても優しくて、愛おしそうな。


痛いほど、彼女への想いが伝わってくる。


「気づいてたの?」


私の気持ちに。


< 32 / 73 >

この作品をシェア

pagetop