恋光をさがして~番外編~


「おい・・・」


部屋に入ると、思わず立ち止まってしまった。


さっきまで機嫌を損ねたお姫様が、ベッドで寝ているから。


「はあ・・・」


ため息をつき、美咲に近づく。


ドキン


不覚にもときめいた。


美咲の寝顔は幼い頃と変わらなくて。


でも、体だけ色っぽくて。


髪を撫でたくなる。


ゆっくり手を伸ばすが、止まった。


美咲の顔に、涙を流した跡があったから。


「訳わかんねぇ」


いつもこうだ。


美咲のことになると、俺は振り回される。



< 9 / 73 >

この作品をシェア

pagetop