デスゲーム
「出て来ないか。仕方ない清水、あれをやれ」

「命令するな。少し待ってろ」


強行手段になるがあれしかないな。こうなったら強引にでも開けてやる。

鞄から針金を取り出し、鍵穴に差し込む。扉に直に付いているタイプか。


「どうだいけそうか?」

「なんとかな。時間はくっちまうけど安心しろ。なんとかなりそうな感じだから」


福家母も同意してくれた。後は仕事をするだけだな。

苦戦しながら鍵を解除していく。やがてカチッと音が鳴り、扉が開いた。


「開けるぞ。いいな?」

二人はOKのサイン。俺は勢い良く扉を開けたがそこには…


「悠也いるか。…ってあれ?誰も居ないんですけど。悠也、どこにいる?」

「居ない訳ないだろ。おーい、居るんだろ?出て来いよ」


俺に続き二人も部屋に入るが、そこはもぬけの殻だった。人の気配すら感じられないほどに。
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