デスゲーム


………


どのくらい経っただろうか。目を擦り時計を見ると、午後6時を指していた。日も暮れてる。いつの間にか寝てしまったようだ。

隣には沙弥も寝ていて、変わったことは白玉が脱出に成功していたことくらいだった。

立ち上がり電気をつけると、支えを失った沙弥の身体が傾く。


「ふにゃ……あれ?隼人?私…どうしたんだろ」

「すまん、起こしちまった。寝てたみたいだぞ?」

「そっか、寝ちゃった。…ってえーー!!夜…」


窓を見た途端に驚いた。門限でもあるのか?


「何か問題でも?」

「べ、別にないけど。…寝てる私に何かした?」

「俺がそういう人に見えるか?」


普通に首を縦に振りやがる。前々から俺を悪党か何かと勘違いしてないか?


「するわけないだろ。大切な人なら尚更。そこまで馬鹿じゃねえよ」


沙弥は目を見開いた後、俺から視線を逸した。顔が赤くなるのが分かる。


「バカ...冗談だよ。…それより夜かぁ。どうしよう帰るの怖い」

「じゃあ一緒に帰るか?送ってくよ」

「え?いいの?時間食うよ?」

「いいよ。沙弥の溝打ちの被害者を減らすもできるし」
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