デスゲーム
振り返ると川藤が犯人だと分かった。

「見損なったぞ清水。いつも独り身のくせに」

「独り身で悪かったな。何の用だよ」

「とぼけるんじゃねえ桜井ちゃんだよ。いつの間に落とした?」


落とっ…めんどくせえな。声を小さくして誰にも聞かれないように話す。


「バカちげえよ。見てやがったな」

「ああ~見てたさ背後からそーっとな。二人とも親近感丸出しで歩きやがって。どんな手使った?」

「はあ。ただ流れに身を任せてたらああいう関係になった。以上」


再び机に伏せようとすると、制服の首筋を持ち上げられる。


「嘘だ。俺が何度もアタックして何度もハートブレイクされた人だぞ?

そんな高嶺の花である桜井ちゃんをお前何かが……」

「嘘じゃねえ、事実だ。現実を受け止めろ」


そう言うと机に伏せて唸り始めた。相変わらず忙しい奴だ。


「何で俺に内緒でコソコソしてんだよ?」

「コソコソなんかしてねえ。別に報告するまでもねえだろそんなこと」
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