デスゲーム
「誰か福家見てねーか?川藤が三途の川あたりで探してるんだが、どこにもいないんだ」


遊びながら聞いたものの、誰も知らないか。
誰も知らないなんてやっぱ不気味だ。


「残念ながら福家の痕跡は三日前を堺に止まったまま。気持ちは分かるがお手上げ」


桑原が言うのなら間違いないか。どうやらこいつらも手掛かりなしね。


「分かった。これはっ…真ん中ずれたか」


今日のゲームはダーツ。俺はほとんどの矢をど真ん中周辺に当てていた。


「お前は本当にゲームだったら完璧だな。その心構えが授業にも出たら良いのに」

「言うなって。だいたい勉強なんて予習だだけで十分すぎんの。

成績の話なら今度川藤にしっかり叩き込んどいてくれっ」


俺の成績はトップクラスをキープしてるからぬかりはない。あんなの暗記すれば簡単だからな。


「はいはい分かったよ。そんな事より俺の番な」


微笑しながら、俺と桑原は矢を投げ続けた。
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