デスゲーム
今まで沙弥の気持ちに気づいてやれなかった。それどころか名前さえも知らなかった。

俺を好きだと言ってくれる人に。


「そんな時に隼人が福家君の友達だと知りました。彼の情報を聞くため、隼人と会話をする機会がようやく生まれました。

それが図書室でのことです。それからあなたと一緒にいる時間がうんと増えたね。

私のテンションが妙に上がったのは隼人が側にいるから。憧れの、好きな人が隣で笑ってくれるからです」


だからいつも楽しそうにしてたのか。不思議な謎が一つ解けた。


「そんな私を、隼人は嫌な顔一つしないで受け入れてくれた。私のお願いを何でも聞いてくれた。

それでもって、私を褒めてもくれました。隼人の優しすぎるその姿、仕草に私は…






『好き』だったのが『大好き』になりました。





もっと一緒にいたかった。隼人の事、もっと知りたかったけど、神様は許してくれませんでした。

お別れの時間が刻一刻と迫る中、隼人に会えるだけで満足だったよ。

隼人が気になってた福家君の事は秘密です。あなたには絶対に教えたくないから。ごめんなさい」
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