デスゲーム
一階に降りると川藤や沙弥の親友が集まっていた。辺りが静まり返るなか、すすり泣きの音が切なく聞こえる。


「よ、川藤。お前もきたのか」

「よ、じゃねえって。お前大丈夫か?元気だせよ」

「ん~、少し元気になったかな。…あの時はありがとな。助かった」


救急車を呼んだ件。後から聞いたが、数時間前からつけていたらしい。まさか悪事が善になるとはな。


「気色悪いからやめてくれ、俺に礼なんて。それにここにいるのはあれが原因だし。ついでだとよ」


川藤の視線を追うと沙弥の友達がいた。ということはおおよそ本命の人か。


「ここ一か月で通夜が二回。福家の事と何か関係があるのか?」

「いや、ないと思う。もういいだろ?そのことは忘れろ。足掻いても過去は変えられないんだ」


川藤には教えたくない。二人が繋がっていることを。重荷を背負うのは俺一人で十分だ。


「そうか。…桜井ちゃんのとこ行こうぜ」


別室へ移動する女子の後を追い、沙弥のいる部屋に入った。
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