デスゲーム
外へ出ると新鮮な空気で落ち着いた。12月に入り、冷たさに更に鋭さが加わった。


「清水、もういいのか?」


少しして川藤も出てきた。手を擦りながら振り向くと、何だか不安そうな顔つきをしていた。


「ああ、行こうぜ。俺はもう大丈夫だ」

「ならよかった。帰るか」


ん、どうして川藤は俺と帰るんだ?彼女がいると思うけど。


「そうだ、お前彼女と帰るんじゃなかったのか?」

「その彼女にお前と帰れって言われたの。心配してたぞ?」


どうやら川藤以外にも心配してくれる人がいるようだ。


「俺はそんなに弱かねえって言っといてくれ。つい最近強く生きろって言われたんで」


その後いつもの分かれ道で分かれてそれぞれの帰路についた。人の前では強いと言えるけど、やっぱ気力が漲らねえわ。

福家のことを思い浮かべてふらふらと歩く。全ての根源。

…そういやあの場所に何か変化あったかな?不意に事故現場の歩道橋が浮かんだ。

沙弥に関わるなと言われたけど、我慢できない。色々考えたけど情報が一切ないんだ。じゃあ…行くしかねえか。
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