デスゲーム
チンピラは俺を黙視しておいでおいでしている。

はあ、面倒な事になったな。とりあえず近くまで行くか。


「俺その子のお兄さんじゃないんだけど」

「嘘つけ。巻き込まれたくないだけだろ?」


…ムカつく。本当のことなのに。こいつただのアホか。


「何度も言わせるな。俺その子とは何の関係も…」

「お兄ちゃん、いつもみたいに助けてよ。財布に10万入ってるって言ってた」

「ほう。なら7、8万で勘弁してやら。名前と金置いてけ。そしたらこのお嬢さん返してやるよ」


高校生がそんなに持ってたら逆に引くわ!こいつ無理に信じこませやがって。その上リスみたいな目で見てくるなよ。


「お兄さんどうすんの?払うの払わないの」

「お兄ちゃんお願い!私がどうなってもいいの?」


このパターン前にもあったな。前はこんなチンピラ抜きだったが。
あー、くそっ。なるようになれ!


「名前だったら教えてやる。俺の名前はシャイニング・ウルフだ!あ、お巡りさーん」

「何?どこだ」

「いたら都合よすぎだっつーの!」


あたふた辺りを見渡すチンピラと少女を繋ぐ手を思い切り弾く。手は離され、その隙をついて脇腹に蹴りを入れた。
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