デスゲーム
「…わーったよ。白樺高校2年、清水 隼人。お前、新手の詐欺じゃねえだろうな?」


さっきのやりとり。最終的に俺は巻き込まれた。念には念を。


「ち、違います。よそ見しててぶつかったんです。謝っても許してくれなくて…」

「なるほどな。じゃ、俺はもう帰るから…」


中腰で出口へ向かい、頭だけ外に出して周りを見渡した時だった。


「ちょっと待ってください!」


急に腕を掴まれて内部に引きずりこまれた。と同時に出口の上部と俺の頭が激しくぶつかった。


「くぅあ゛~……いってぇ!マジで…半端ねえ。何しやがる」

「ご、ごめんなさい。わざとじゃないんです。大丈夫ですか?」


頭を抑えて悶絶する。まだ除夜の鐘は早いって。


「これが大丈夫に…見えるか?…ったく、他に何かある?」

「本当にごめんなさい。あの…、お礼がしたいので連絡先をくださいますか?」


携帯を取り出し赤外線の部分を指差した。


「いや、お礼なんていいから。じゃ」

「お願いします!そんなんじゃいけません!!」


何がいけないのか分からない。ただ、俺の右腕をかたくなに抱き締めて離してくれそうにない。
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