デスゲーム
「レイン、これで私を解放して。約束したでしょ?」


柊が死神に訴える。あいつはレインって名前か。


「アア?そんなんしたっけ?俺様記憶にねーエ。ギャハ☆」

「そんな…嘘でしょ……」


柊は崩れ落ち、床に手を付いて嘆いた。心を踏みにじられた、そんな感じだ。

あのレインってやつの声、聞き覚えがある。今は甲高いが、声質は同じだ。港で沙弥が死ぬ前に聞いた低い声。


「おい、レインといったな。沙弥を殺ったのはお前か」


不気味に…長すぎる舌をだらんと出して振り向いた。


「沙弥……ああ!桜井沙弥か。いたなあ、そんな奴。…そうダ、殺したのは俺様だァ。実に愉快だった」


背中に衝撃が走った。こいつが殺したのか。ようやく辿り着けた。何度も何度も探った事件の犯人は、こいつだ!!


「教えろ。福家と沙弥の真実を。そんで柊のことも全部吐け」

「ギャハハ!いいぜえ?俺様は今気分がいい。今貴様が置かれてる状況とやら、説明してやんヨ☆」


心臓が高鳴る。強がってはいるが、足は震えてる。レインの姿は未だに俺に恐怖を与えている。
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