デスゲーム
「何で…どうして!あいつが何したってんだよ!?冗談って言ってくれよ!」


川藤が詰め寄るが、担任からは嘘の素振りが感じ取れない。

絶句。急すぎて言葉が出てこない。そんで足枷でもついてるんじゃないかと思うぐらい…その場から動けなかった。


「落ち着け川藤、自分には福家が亡くなった。『訃報』としか伝えられていない。あいつは今病院に搬送されている。

数日後には葬儀をあげるから行ってやるといい。確か仲良かったよな」

「どうなっちまってんだよ……」


担任が肩を掴んだおかげで、半狂乱状態の川藤の言葉が途切れた。

回復しつつある思考回路に命令を送る。


「分かりました。葬儀には必ず行きます。おい、教室戻るぞ」


そんな最中に予鈴が鳴ったのは聞き取れた。とにかく…この場から離れられる術が欲しい。

これ以上ここにいると俺達の精神が保つかどうかが分からない。

川藤は一度だけ頷き、素直に教室へ入った。俺も重い足を運び教室に戻った。
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