デスゲーム
「次から次へとなんだってんだ…」

「分かります?先輩がいたらこんなに迷惑なんですよ?先輩が二人の代わりに死ねば良かったんだ。この人殺し」


頭を抱え、崩れ落ちる。息苦しく立っていられない。冷や汗が流れ、気を確かに持てそうにない。

沙弥はそんな俺の表情を覗き込み、クスクス笑った。


「俺がいるから死人が……。俺がいるからみんなが……。俺のせいで……」


思考がうまく回らない。床の鏡に写る自分に酷く吸い込まれそうだ。この空間から逃げ出したい。


「清水、死ねば?死んで詫びろよ、俺と桜井に。そしたら許してやるよ」

「そうだよ。だったらここにいる人みんなが先輩を許すよ」


福家と俊介が残酷な言葉をぶつけてくる。沙弥と福家を間接的に殺して、俊介に恨まれ、柊を守れない俺に、のうのうと生きる権利があるのか?


「はは、分かったよ。この苦しみから解放してくれ。煮るなり焼くなり何でもして……」




カラッ、ガシャン




立ち上がり際に何かがポケットから落ちた。足元を見ると携帯が落ちたようだ。拾おうとして屈むと熊のストラップが目に入った。




『御守りだよ』





そんな優しく、澄んだ声が脳裏に響いた。
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