デスゲーム
~悪魔~
「ん?ここは…帰ってこれたようだな」


意識が戻ると、目に入ったのは薄暗いカウンター。俺と同じく椅子に座る男。立ち上がり、数歩進んでボーっとする。


「……レイン、どこにいる?帰ってき…」

「清水君ッ!!」


ガバッと抱き付いてきたのは柊だった。俺の服を強く握り、離れそうにない。


「うわっ…。柊、ただいま」

「清水君、私……私…」

「言うな分かってる。『パラサイト・マインド』で経緯を把握した。顔上げろよ」


涙が目に浮かんでいる。今まさに出始めたようで、ジワジワとそれが大きくなっていく。


「泣くなよ。柊には感謝してる。『デスゲーム』の存在を教えてくれたから。こんなゲーム、俺が終わらしてやる」

「でも……でも私ッ…」


罪を償いたいような顔…。その姿にギュッと抱き締めた。もう…いいから。


「もういいから。…柊だけは絶対守るって約束する。だから柊も、『デスゲーム』の隠し事は決してすんな。ごめんもなし。分かったか?」


俺の胸に埋もれた頭が一度上下に動いた。


「よし、じゃあこれでお終い。涙拭けよ」


ゆっくりと離し、柊の目の端を拭ってやる。セミロングの髪がフワリと揺れる。
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