デスゲーム
離れているのにはりつめた空気が漂う。

オーナーは無表情で見つめていた。その姿表情からは微塵の温かさも感じられない。


「ひっ…、ひゃ……うわあぁーー！！」


男はレインの気迫に耐えられず、出口へ駆け出した。


「答えは、今すぐか」


レインは背に手を回し、大きな鎌を取り出した。不気味な赤黒い鎌。刃先が鈍く光る。

切れ…るのか？


「やめろ…」


必死に絞り出した声だったが、レインは無視して男を追う。宙に浮いているから尋常じゃない早さだ。


「開かない。開いてくれえぇーー！！」


出口をドンドン叩く男に容赦なくレインが迫る。そして…


「ギャハハハ☆貴様の魂貰ったア」

「う、うわあぁーー！！」


グッ…ビッちゃ…。

鎌が男の心臓部に突き刺さった。動きが遅く感じられた。鮮血が飛び散り、また吹き飛び、ビチャビチャと音を立てて床へ落ちてゆく。


「ギャハハ☆くたばれえ♪」


一撃の後、何度も何度も男を切り刻む。腕や神経、その他人間を作っていたものが分断される。鎌が一振りされると一つ、また一つと人間の一部が切り離される。

床には『人間だったもの』が無残にゴロリと転がった。それは辺り一面に赤いものと、鉄の匂いを広げた。
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