デスゲーム
だから俺の家に来たのか。とはいえ、地元から離れるから見つかる確率が減っていいか。


「もう大丈夫だからな。…帰りたくなるまでここにいていいから」

「えっ、そんな。迷惑ですぅ」

「心配ないよ。それと何があってもお前を心配してくれる人には、連絡したか?」


涙を拭き、表情に明るさが戻ってきた。


「…お兄ちゃん」

「今頃探しまくってるぜ?早く伝えてやりな」


慌てて携帯で電話し始める。俺は白玉とその場を離れることにした。


暫くたって、何故か柊が携帯を差し出してきた。


「お兄ちゃんです。経緯は話しました。清水君と話したいそうです」


あの癖のある人か。携帯を受け取り耳に近づける。


「はいこちらシャイニング…」

「おい、雫は無事だろうな?手ぇ出したら勘弁しないぞ」


冗談通じないのな。声色がマジだ。


「はあ?だったら安心して暮らせる家庭を作れって」

「…頼むぞ。居場所は聞かないから、本当に雫に手を出すのはやめてくれ」

「安心しろ、出しゃしねえ。それよか柊が帰れるような家庭を作れ。親を黙らせろ、いいな?」

「分かった。信じてるからな。お前は雫に笑顔を宿してくれる。じゃあな」
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