デスゲーム
「あの、私清水君に加勢してもいいです?」

「ああ?ダメだ。これはセミナーっ……」


柊は黒崎の手の甲にキスをした。短い時間だが、これはノックダウンだろう。


「お願いします。2対1になりますけど、味方につかせてください」

「OK、いくらでも当てな。許してやる」


柊は黒崎から離れ、俺の隣に寄り添った。たまに小悪魔になるよな、こいつ。


「当てるっつったって、分かるのか?」

「はい、残り14枚。いきます。クローバーの6、ハートの4……」


凄い。当たってる。どんどんめくっていき、ラスト1枚に差し掛かった。


「最後はダイヤの9…です」


当たった。こいつやりやがった。


「柊すげえよ。天才か?」

「記憶力だけはいいんです。えへへ」

「2対1だが俺様の負けだ。飯作って今日はもうあがれ。今日午後から仕事でよ」


その後飯を作って自分の部屋に帰還した。正直柊の力には驚いた。伊達に『デスゲーム』に参加してないってことか。
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