デスゲーム
「あれか。あれは事故だ。俺の目の前をちんたら歩いてたから、ついコツっとな」

「てめぇ…」


頭にくる野郎だ。間接的に『デスライン』に参加しろって言う意思表示だろ。


「離せよ。俺のしたいことは分かってるだろ?決心ついたらレインに知らせろ」


乱暴に手を振り払い、不気味に笑いながらその場から離れてゆく。くそ、痛いくらいに手を握り締めた。

残り5日、何が起きようとこの怒りを堪えてやる。『デスライン』なんてしてたまるか。思い通りになんか…なってたまるか。





………

それから4日経った。川藤達に注意を呼び掛けたおかげか、氷室の行動が一旦落ち着いた。

そして『デスゲーム』2回戦がとうとう明日に迫った。今日も俺と柊は黒崎に特訓されていた。


「黒崎、俺氷室に勝てるかな?」

「僅差だな。一度しか言わない、よく聞け。何するのか知らねえが、ゲーム終盤お前は負けてる」


ポーカーをしながら話す。特訓には柊も加わり、俺の横で腕を上げている。


「やってみないと分からないだろ?勝手に決め付けんな」

「分かるんだなそれが。いいか、勝つ方法がないわけでもない」
< 212 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop