デスゲーム
「柊、お前も聞いとけ」


ポーカーと白玉に夢中の柊に呼び掛ける。


「氷室と俺のライバル、白石の性格が同一ならば…、ゲーム開始直後から自分を有利に展開するはずだ。

言い換えれば先手必勝を仕掛けてくる。だがな、先手は譲れ」

「先手とられたらヤバいんじゃねえのか?」


ゲームの支配権を持っていかれる。


「いいから聞け。どんなルールにも必ず穴がある。その錯覚のような穴を突け。先手をとると、誰もが完璧な戦略を練り上げたがるから簡単だろ。

……それとあいつは後半の勝負の瀬戸際、絶対に油断するんだ。あとは持ち前の強運で乗り越えろ」

「はあ?油断をどう突くんだよ?」

「いいか、お前には誰にも負けない天性の才能がある。氷室など軽く潰せる程のな。だから俺様以外の人間には、ハナから負けない運命なんだよ。

だから俺はここまで…なんでもない」


結局運任せね。だが、黒崎から初めて褒められた瞬間だった。


「私も勝負するんですけど、どうしたらいいんです?」

「ん?勝負事は清水に全部任せろ。雫ちゃんは静かに待って、勝ってくるこいつに最高のご褒美を与えてやりな」
< 213 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop