デスゲーム
優しくて純粋なのかな。柊の隣だと、何だか落ち着く。


「川藤ってやつどこにいる？」

「ちょっと清水君タメ口はいけません」


病院の受付によると入院しているようだ。それを聞いてだんだん不安が募ってゆく。病室の前には確かに川藤の文字があった。


「来てやったぞ川藤、何の用……どうしたその怪我」

「大丈夫。大した事はないけど、検査のため入院が必要だって」


病室にはベッドで横になる川藤の姿。頭や手足にガーゼを貼ったり包帯を巻いている。大した事はないと言っても、外見からはそんな風に見えない。


「お大事に」


看護婦さんが部屋を出ると川藤は悲しげな表情を浮かべた。


「何があったんだよ？いつもの軽い怪我には見えないぞ」

「ちょっとバイクで事故ってよ。スリップして地面に投げ出されただけ」


川藤は一応原付バイク免許を持っていて、バイクも自分専用車を持っている。


「で？そっちの可愛い子は誰？」

「あ、初めまして。柊 雫って言います」


そんなやりとりはどうでもいい。疑問なのは、バイクってそんなに簡単にスリップするもんなのか？だ。
< 215 / 638 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop