デスゲーム
その柊の悲痛な叫びに思わず振り返ると、大泣きして話していたのが分かった。そして足も小刻みに震えていた。

小柄な体なのに、大きな意志を必死にぶつける柊に心が打たれた。


「『デスゲーム』に巻き込んだのは私のせいです。本当にごめんなさい。その事は深く反省しています。

…清水君を怒れるような立場でないことも重々承知しています」


今思うと、絶対に言ってはいけない最低な言葉を吐いた。その一言で、柊がどれだけ傷つくか分かってるはずなのに。


「今のは俺が悪かった。柊が来なくとも、俺は自分から『デスゲーム』に参加しようとしていた。どのみち参加は避けれない運命だったんだ。

けど…けどどうして柊は俺に尽くせる!?さっき冷たい事言ったばかりなのに…何でそこまで言い切れるんだよ!?」


柊は一度目を背けたが、涙を拭いた後すぐに目線を合わせてきた。


「多分…好きだから……清水君の事が好きだからだよ!ずっと考えていたんです。なぜあの日、清水君に頼ってしまったのだろうって」
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