デスゲーム
「柊!無事か!?」

「あっ…、何も見えない……光が…消えた?」


どうなっているのか分からない。失明……何も見えなくなったのか。


「俺は2歩進ませてもらう」

「『5P』ネ☆くらえ」


そうやってすぐに俺の番に変わった。氷室にためらいはないため、行動が早い。


「タイムだ。頼む」


ゆっくりと柊の側に寄る。ボロボロになって、今にも気絶しそうだ。


「清水君どこ?どこにいるの?真っ暗で何も見えないよ…」

今の柊を襲っているのは、不安、恐怖、痛み、絶望感。失明したことにより、これらの大きさは計り知れないはず。

柊の、手探りで俺を探している手を掴み、思い切り抱き締めた。


「ここだよ。ここにいる。ごめん…。こんなになるまで頑張ってんじゃねえよ」

「あは。見つけた、清水君の温かさです。まだ大丈夫だから。10Pのマスは絶対に…いってね」

「こんな時まで考えんなよ。絶対何とかしてやるから」


目を瞑り、強く抱き返してくる柊をそっとしていられない。


「ケケッ♪時間だ。タイム終了」


そんなレインの声を軽く無視する。


「柊、これ持ってて。御守り。すっげぇ勇気もらうから」


携帯の熊のマスコットを外して柊に握り締めらせる。震えていた小さな両手が、少しばかり震えを止めた。
< 235 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop