デスゲーム
次の日、案の定川藤は宿題をしていなかったので、ノートを渡すと必死に書き写していた。

川藤とは朝から会話しているが、今の昼休みまで全くあの事件については話していない。どうやら約束は守っている様だな。


「いただき、俺のために残してくれてたんだろ?」

「俺の飯とんなよ。誰がお前のためになんか残すかバカ」

「へへ、次行ってくるわ」


その後も川藤の弁当泥棒は続いた。自分ので足りないんだったら量を増やせばいいものを。

三人目に差し掛かった時に何故か女子から平手打ちを食らっていたが、気にしないでおこう。

そして放課後は理科室で遊ぶ。鍵が閉まっていようが関係なかった。俺には開けられるから。

この鍵の様に今までは何でも解決できた。どんな難しい問題も一捻りできた。だか、今度の問題ばかりは……。

日に日に心の中の霞が膨らんでいった。他の事で気分を紛らわせないと落ち着かなかった。

そうして、素っ気無い日々が二日続いた。
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