デスゲーム
~聖なる夜~
クリスマス当日、朝から気持ちは落ち着かずにいた。数日前から考えていた柊の事に決心はついたものの、なかなか踏み出せない。


「で?何で俺のとこでいつも通り特訓してんだお前。?雫ちゃんはどうした!?」

「会う約束してないし、まだ時間あるし」


白玉を自室に残し、俺は黒崎と特訓していた。時間は6時だが、日は暮れて真っ暗だ。


「ったく、お前とことんバカだな。…今日は俺予定が入っててな。長くは付き合えねえぞ」


ポーカーの役を揃える。フルハウス、また俺の負けか。


「胸の靄が消えねえんだよ。答えは出たってのに後味が悪い。何かこう……後悔するかもっつーか」

「ハァ。だからお前はバカなんだよ。雫ちゃんに会えば分かる。簡単だろうが、会うか会わないかそれだけだ。難しく考えるな。

それと…何か譲れないことを今抱えてるだろお前。でないと俺のとこになんて来ないしな。どうせそのきっかけが雫ちゃんだろ?」


そんな時、携帯が鳴りメールが入る。想像はついた。俺が気に病んで仕方がない、柊からのメール。



From 柊雫
―逢いたい―




ただ一言の、たった一言の内容。でもその一言に込められているのは、大きな愛情。

俺を想ってくれる人からのかけがえのないアプローチ。
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