デスゲーム
「やっぱりお前か。雫離れろ、そんなの認めない!」


祥一は無理矢理俺と柊を引き離すと、胸ぐらを掴んできた。


「妬いてるのか?お義兄様?」

「誰が義兄だ。雫は誰にも渡さん。で?何でお前がいんだよ!?」

「手離せよ。来た理由はコレな」


柊からのメールを見せると、その手を解放した。


「雫!?何でこんなこと…」

「お兄ちゃん、逢いたい人に逢う事がそんなに悪いの?どうして逢っちゃいけないの?ねえ!?」


どうやら一嵐吹いた後のようだな。気まずいオーラが満々だ。


「さっきクソ親と話したばかりだろ。雫の成績が上がるまで誰とも接触してはいけないって。携帯まで取り上げられてさ」


あの時通話が途切れたのは話し合いの最中だったって訳ね。合点がいった。


「勉強なら頑張ります。でもこんなやり方は酷すぎます。

…だから清水君ならここから解放してくれると思って…」

「甘えんな!」


二人の会話中に割って入る。柊は肩をビクッと竦めた。
< 270 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop