デスゲーム
「わぁ…言葉が出ません。とても気に入りました。これ絶対に大切にしますね。ありがとうございます」

「良かった、そう言ってもらえると嬉しいわ。…ん?それは?」


次に柊が鞄から取り出したのは小さな箱。クリスマス用の紙で綺麗に包んである。


「お返しです。開けてみてください」


良かった、柊も用意してくれたんだ。できるだけ丁寧に封を開けると、中には…


「指輪が…二つ?」


ハート型の鉱石がついたのが一つ、同じくダイヤ型が一つ。他には装飾がなく、いたってシンプル。


「はい、デザインは勝手に選んじゃいました。でもどうしても欲しかったんです」


指輪を一つ取り上げ、俺の右手をそっと握る。ダイヤ型の指輪だ。


「思ったけど、どうして指のサイズが分かった?」

「前に同居してた時に拝借させてもらいました。夜の寝静まった頃に……。はい、できましたよ」


左手は監視の指輪があるからダメなのな。月明りに照らすとキラッと光って綺麗だ。銀の輪がそれを更に引き立てる。
< 281 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop