デスゲーム
「雫って呼んでいいか?」

「雫…下の名前…。はい、お願いします」

「雫も下の名前で呼んでみて……」

「ぇえ?……は…隼人…君」

「よく聞こえなかったからもう一回」


焦ってる焦ってる。こいつの性格上、名字以外の名前で呼んだ事って皆無だろうな。


「は……はやっ…」


面白いくらいに想像通りになるな。再び雫って呼ぶとまた顔を隠した。


「とことん意地悪です。私が照れて言えないのも分かってるくせに。………隼人君」

「納得しない。俺の目を見て言って。彼女になるんだったらそれぐらいしないと」


…とは言っても、俺も余裕がない。密着してからのこのやりとり。今目茶苦茶ときめいてる。


「は……隼人君!!」

「よく言えました」


ギュッと柊を抱きしめる。これから先、守っていかないと。改めてそれを実感した。そっと離すと、照れまくってる雫が寄り掛かってきた。
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