デスゲーム
そのまま暫くたった後、立ち上がり背伸びすると、支えを失った雫がベンチで横になる。


「……何だか力が抜けました。えへへ」


なんか雫をいじるのが楽しいな。…黒崎の性格が移ったのかも。


「それじゃ帰りますか」


笑顔で手を差し延べると、赤い顔のまま握ってきた。手、小さくても俺に力をくれるんだよな。


「えへへ、エスコートお願いしますね」


軽く微笑しながら手を繋ぐ。寒空の下、公園を出て駅へとむかう。星と月が生み出す神秘的な夜だ。


……

「あれれ、清水じゃないの。おひさ」


…邪魔が入ったな。駅へと続く商店街にそいつらはいた。


「あれって九条君と橘さんじゃ…」

「無視しろ。幸い後ろからの発見だ。早歩きで切り抜けるぞ」


ささっとスピードを上げるが、それ以上の速さで近づいてきた。
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